相手から 良く思われたい
告げ口の対象となる人には特別な敵意や悪意を持っていないにも関わらず、告げ口をするというケースも少なくありません。
では、何の目的があって、わざわざ告げ口をするのか、それは自分が良く思われたいからです。
わかりやすい例として、会社内の派閥抗争をあげましょう。
次期社長の座をめぐって、A副社長とB専務が争っているとします。
自分はB専務サイドにつくことで、出世しようと思った場合、A副社長に関するマイナス情報を、B専務の耳に入れるということがあります。
たとえば、「A副社長は得意先のC社から、不適切な接待を受けている」というような情報です。
次期社長の座を狙うB専務にとっては、ライバルのマイナス情報ほど「おいしい情報」はありません。
その情報をうまく使うことによって、自分に有利になるようにすることが可能だからです。
ですから、おそらくB専務はその告げ口をした人に対して、「よくぞ、良い情報を教えてくれた」と感謝することでしょう。
その結果、告げ口をした人は、B専務から良い評価を得ることができるわけです。
社内の派閥争いのようなケース以外でも、こうしたことは日常的によくあるものです。
相手から気に入られたいという心理を持っているために、その相手にとってメリットのある情報を耳に入れるというのが、告げ口をする人の特徴の一つと言っていいでしょう。